~関門海峡に面し、日本の三大港として数えられた街~
JR門司港駅周辺地域に残る外国貿易で栄えた時代の建造物を中心に、ホテル・商業施設などを大正レトロ調に整備した観光スポットで、国土交通省の都市景観100選、土木学会デザイン賞 2001 最優秀賞を受賞している。旧門司三井倶楽部、旧大阪商船ビルなど歴史的建造物が徒歩で見学できる。対岸に位置する山口県下関市の唐戸・巌流島などとの周遊ルートとして多くの観光客で賑わう。
◆2019年に復元工事を終えグランドオープン「JR門司港駅」
1914年(大正3年)に門司駅(当時)として開業、1942年(昭和17年)に門司港駅と改称され、1988年(昭和63年)には鉄道駅舎として初めて国の重要文化財に指定されました。2019年(平成31年)には6年にも及ぶ復元工事を終え、大正時代の姿に復元された門司港駅がグランドオープンしました。
◆国の重要文化財「旧門司三井倶楽部」
旧門司三井倶楽部は大正十年に三井物産の社交倶楽部として、門司区谷町に作られました。建物はハーフティンバー様式と呼ばれるヨーロッパ伝統の木造建築工法で作られたもので、木造の骨組みの間を漆喰やレンガ、石などを使って埋めて壁が作られ、木造の骨組みがそのまま外観デザインのアクセントとなっています。内装には各部屋にマントルピース(暖炉)が配置されドア枠、窓枠、大階段の親柱などには幾何学模様のアールデコ調の飾りがされており、大正モダンを深くうかがうことができます。
◆港町のシンボル「旧門司税関」
旧門司税関は明治42年(1909)に門司税関が発足したのを契機に、明治45年(1912)に煉瓦造り瓦葺2階建構造で建設されたものです。昭和初期までは、税関庁舎として使用されていました。平成六年に北九州市が赤煉瓦を特注し、建物の復元を行いました。1階は天井吹き抜けの広々としたエントランスホール、休憩室、喫茶店「モーン・デ・レトロ」のほか、常設の門司税関広報展示室があり、密輸の手口などを紹介しています。また、3階は関門海峡を行き交う船やはね橋を一望できる展望室となっています。
◆絶景のビューポイント「和布刈第二展望台」
本州と九州に連なる山々、その間を湾曲し川のように流れる関門海峡、行き交う船の数々。展望テラスからは眼下にこの絶景が広がります。夜には関門橋や対岸の街の灯りがきれいです。また道沿いには、有田焼のレリーフで壇之浦合戦の模様を描いた壁画があります。
◆カレーとチーズがベストマッチ!「門司港焼カレー」
明治から昭和のはじめにかけ、海外との貿易港として栄えた門司港には数多くの洋食店が建ち並び、それと同時に西洋と東洋の良さが混在したハイカラなメニューが生まれました。諸説はいろいろとありますが、「焼きカレー」を始めたのは昭和30年代の門司港にあった喫茶店といわれています。当時、余ったカレーをグラタン風にオーブンで焼いたところ、実に香ばしく、美味しく仕上がったので、のちにお店のメニューとして出し、お客さんから好評を得たという逸話が残っています。また庶民の味、家庭料理としても広く浸透しました。
現在では、ご飯の上にカレーとチーズや玉子などをのせ、オーブンで焼いた「焼きカレー」が、門司港発祥のご当地メニューとして親しまれています。
◆歴史に残る決戦の島「巌流島」
関門海峡に浮かぶ巌流島の正式名称は「船島」。下関市の彦島江の浦東岸250mにあり、北端に小山があるほかは平らな島で、現在は無人島です。この島で、慶長17(1612)年4月13日に宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘し、敗れた佐々木小次郎の流儀「巌流」をとって巌流島と呼ばれるようになりました。 現在は、観光周遊船が接岸できる浮桟橋をはじめ、決闘の地を連想させる海浜整備、宮本武蔵・佐々木小次郎両雄の像、関門海峡沿いには散策道や休憩所も整備されました。
◆ふぐをはじめ新鮮な魚介類が楽しめる魚市場「唐戸市場」
唐戸市場はふぐの市場としてはもちろんのこと、タイやハマチの市場としても有名です。地元の漁師さんたちが獲得したり育てた魚も直接販売しており、地方卸売市場としては全国的にも珍しい販売形態を行う市場です。農産物の直売所もあり、漁業者や農業者が軒を並べて販売しています。また、あらゆる食材を取り揃えた「総合食料品センター」としての役割も果たしており、季節を織り成す食材で活況を呈しています。